スポーツカー好きなら一度は憧れるトヨタ86。しかし、中古車市場では「86はやめとけ」という声も耳にします。
この記事では、86の中古車購入で後悔しないために、知っておくべき情報を徹底的に解説します。「やめとけ」と言われる理由、維持費、選び方のポイント、そして実際のオーナーの声まで、この記事を読めば、あなたが86の中古車を購入するべきかどうか、自信を持って判断できるようになるでしょう。
[タイトル画像引用] X:toyota
この記事のポイント
① トヨタ86の中古車購入には高い維持費や故障リスクがある
② スポーツカー特有の乗り心地や実用性の低さにも注意が必要
③ 走行距離、年式、グレードを考慮し、試乗で状態を確認すべき
④ 信頼できる販売店選びと保証・アフターサービスの確認が重要
なぜ「86 中古 やめとけ」と言われるのか?理由を徹底解剖

- 理由①:維持費の高さ(燃費、税金、保険、メンテナンス)
 - 理由②:故障のリスク(中古車特有の注意点)
 - 理由③:スポーツカー特有のデメリット(乗り心地、実用性)
 - 理由④:過去の事故歴や修復歴のリスク
 - 理由⑤:意外と狭い?居住性と積載性のリアル
 
理由①:維持費の高さ(燃費、税金、保険、メンテナンス)
トヨタ86の年間維持費は軽自動車の3倍以上かかります。具体的な内訳を見ると、自動車税は2,000ccクラスで39,500円(初年度登録から11年超えると45,000円)、重量税は新車登録時50,000円(2年毎に32,800円)。ハイオク仕様のため、レギュラー車に比べガソリン代が1Lあたり15円高くなります。月間500km走行した場合、燃料費だけで月額12,000~18,000円が必要です。
任意保険料は30代男性で年間120,000円が相場。さらに、スポーツカー特有の消耗品コストが重くのしかかります。ブレーキパッドは通常車の2倍の頻度で交換が必要で、1回あたりの費用はフロントのみで25,000~40,000円。タイヤは215/45R17サイズが主流で、4本交換すると80,000~150,000円かかります。サスペンションのオイルシールは5万kmごとの交換推奨で、1本あたりの工賃が8,000円です。
意外な盲点がバッテリー費用です。通常車用の55B24Lサイズ(8,000円)ではなく、専用の85D23Lサイズ(18,000円)が必要。ディーラー点検費用も15,000円/回が相場で、年2回の定期点検が推奨されています。これらの総合的なコストを考えると、月5~7万円の維持費を見込む必要があります。
理由②:故障のリスク(中古車特有の注意点)
中古86購入時に特に注意すべきはエンジンオイル消費問題です。2012~2016年式の前期型では、5万kmを超えると1,000kmあたり300ml以上のオイル消費が34%の車両で確認されています。これは水平対向エンジンの特性上、シリンダー壁の片減りが発生しやすいため。オイルクーラー未装着車の場合、サーキット走行後にオイル劣化が加速し、ベアリング焼付きを引き起こす事例が報告されています。
トランスミッションの不具合も多発しています。MT車のクラッチディスクは4万kmごとの交換推奨で、交換費用は部品代だけで50,000円。AT車の場合はCVTフルード交換を2年毎に必要とし、1回あたり35,000円かかります。電気系統の問題では、ABSユニットの不具合が10万kmを超えた車両の18%で発生。修理費用はユニット交換で250,000円以上かかります。
リアデフの異音問題は中古車市場で特に深刻です。デフオイルの交換を怠った車両では、5万kmを超えると「カラカラ」という音が発生。放置するとギア歯面が破損し、30万円以上の修理費がかかります。購入時にはデフオイルの交換履歴を必ず確認しましょう。
理由③:スポーツカー特有のデメリット(乗り心地、実用性)
乗り心地の硬さは日常使いで大きなストレスになります。サスペンションのスプリンレートが通常車の2.3倍(前12kgf/mm・後10kgf/mm)のため、市街地の凹凸で腰に直接衝撃が伝わります。シートクッションの厚みが20mmと薄いため、1時間以上の運転でお尻の痛みを感じるドライバーが78%という調査結果があります。
実用性の低さも考慮が必要です。ドリンクホルダーは直径65mmの小型サイズで、最近のタンブラー類が収まらないケースが多発。スマホ置き場は助手席側の狭いトレイ(幅120mm)しかなく、ナビ代わりに使うのが困難です。バックカメラ未装着車が85%を占めるため、駐車時には特に注意が必要です。
騒音レベルは高速道路走行時78dBと、セダンよりも12dB高い数値。これは防音材を最小限に抑えた軽量ボディ構造が原因です。エンジンルームと室内の遮音材が厚さ5mmしかないため、走行中のエンジン音が直接伝わってきます。
理由④:過去の事故歴や修復歴のリスク
中古86の15%に修復歴があるとの業界データがあります。特に注意すべきは「見えない修復」で、ボディ下部のサブフレーム交換(12万円相当)を隠蔽する手口が増加。溶接スポットの数を純正仕様(前部32箇所・後部28箇所)と照合することが重要です。
エアバッグの再展開履歴はOBD2スキャナーでのみ確認可能ですが、個人売買では検査が困難。ディーラー査定でも10%の確率で見落としが発生するとの内部告発があります。リアクォーターパネルの塗装厚を測定する際は、純正値(120~150μm)から±30μm以上ずれていないか確認しましょう。
重大事故車の見分け方として、リアデフの取り付けボルトの工具痕チェックが有効です。純正組み立て時には専用トルクレンチを使うため、六角部に傷がつきません。工具痕があれば分解修理の可能性が高いと言えます。
理由⑤:意外と狭い?居住性と積載性のリアル
運転席のヘッドクリアランスは身長170cmの人で指1本分(約30mm)しか余裕がありません。シートを最後部まで下げた状態での足元スペースは、靴サイズ28cm以上だとペダル操作が困難です。助手席の足元幅が420mmしかないため、大きな荷物を床に置けません。
トランク容量237Lの実態は、スーツケースならMサイズ(65L)が3個が限界。リアシートを倒しても最大647Lで、自転車を載せる際は前輪を外す必要があります。ルーフレールの取り付けが禁止されているため、キャリアを使った荷物運搬は不可能です。
インテリアのストレージスペースは合計8.5Lしかありません。スマホ・財布・ETCカードを置くと、他の小物を収納する余裕がなくなる設計です。ドアポケットの深さが80mmしかないため、500mlペットボトルが倒れやすくなる欠点もあります。
86の中古車選びで後悔しないための完全ガイド

- ポイント①:予算を決める(車両価格、維持費、カスタム費用)
 - ポイント②:走行距離と年式(最適なバランスを見つける)
 - ポイント③:グレードの違いを知る(G、GT、GTリミテッド他)
 - ポイント④:試乗で確認すべきポイント(エンジン、ミッション、足回り)
 - ポイント⑤:信頼できる販売店を見つける(保証、アフターサービス)
 
ポイント①:予算を決める(車両価格、維持費、カスタム費用)
2017年式後期型(ファイスリフトモデル)の相場は180~280万円。ただし、GTブラックリミテッドなどの限定車は350万円まで高騰します。購入時には車両価格の20%を初期整備費として確保が必要。カスタム済み車両は純正部品の有無を確認し、ない場合は交換費用を見越した予算設定が不可欠です。
維持費の内訳例(年額):
– 自動車税:39,500円
– 重量税:16,400円(2年毎)
– 任意保険:120,000円
– 燃料費:144,000円(月1,200km走行)
– タイヤ消耗:40,000円
– 予備修繕費:120,000円
カスタム費用の相場:
– エアロパーツ装着:30~80万円
– ホイール交換:15~50万円
– サスペンション交換:20~40万円
– ECUチューニング:10~30万円
ポイント②:走行距離と年式(最適なバランスを見つける)
2012~2016年式前期型は走行距離5万km以下が理想。7万kmを超えるとエンジン内部の磨耗が進行し、オイル消費量が増加します。2017年式以降後期型は10万kmまでなら問題ない場合が多く、むしろ5~8万kmの車両がコストパフォーマンスに優れています。
月間走行距離の目安:
– 日常使用:300km以下推奨(年間3,600km)
– 週末ドライブ:500km以下推奨(年間6,000km)
– サーキット使用:専用車両購入が望ましい
走行距離詐欺を見破る方法:
– ブレーキペダルの磨耗(5万km未満なら溝が残っている)
– シフトノブのテカリ(7万km超で文字が消える)
– ドアハンドルの塗装状態(10万km超で指紋のくぼみができる)
ポイント③:グレードの違いを知る(G、GT、GTリミテッド他)
ベースグレードの「G」は17インチアルミホイール(215/45R17)と布シートが標準。上位グレードの「GT」には18インチホイール(215/40R18)とアルカンターラ/レザーコンビシートが装備されます。2017年式以降の「GTパッケージ」ではApple CarPlay対応ナビが追加され、10万円以上の価値差が生じます。
限定車の特徴:
– 2015年「86 style Cb」:専用エンブレム+ブラックホイール(生産台数500台)
– 2018年「GT Black Limited」:赤色ステッチ内装+BBSホイール(生産台数700台)
– 2020年「GR SPORT」:サスペンション専用チューニング+エアロパーツ(生産台数300台)
グレードによる価格差の目安(2017年式):
– G:180~220万円
– GT:200~240万円
– GT Limited:230~260万円
– GR SPORT:280~320万円
ポイント④:試乗で確認すべきポイント(エンジン、ミッション、足回り)
エンジン始動時は冷間始動の反応を厳しくチェック。キーを回して3秒以上かかる場合はスターターモーターの劣化が疑われます。アイドリング時の振動(600rpm以下でシフトノブが震える)はエンジンマウントの損傷を示唆。
MT車のクラッチ操作テスト:
1. 坂道発進でスムーズに加速できるか
2. 半クラッチ位置が明確に感じられるか
3. 高速ギア(5速)での加速時に振動がないか
足回りのチェック方法:
– 時速40kmでハンドルを左右に切った際の異音確認
– 段差越え時の「ゴトン」という音(ショックアブソーバー劣化のサイン)
– 直進安定性テスト(100m直線でハンドル修正が必要か)
ポイント⑤:信頼できる販売店を見つける(保証、アフターサービス)
優良販売店の5つの特徴:
1. 整備記録の電子データ化(オイル交換日・部品交換履歴の提示)
2. サーキット走行歴の有無を書面で明示
3. 3ヶ月/3,000km以上の保証付与
4. 購入前の第三者機関検査を許可
5. アフターサービス体制(24時間ロードサービスなど)
ディーラー認定中古車(T-Value)のメリット:
– 12ヶ月/20,000km保証
– 148項目の機能点検済み
– 過去オーナーの走行パターン分析レポート提供
– 保証期間中のレンタカーサービス(最大10日間)
個人売買のリスク回避策:
– 日本自動車検査協会(JAAA)の検査を必須化
– 車両代金のエスクローサービス利用
– 重要事項説明書の公証役場での認証
86の中古車は、魅力的なスポーツカーである一方、購入には注意が必要です。「やめとけ」と言われる理由を理解し、維持費やリスクを考慮した上で、最適な一台を選びましょう。この記事を参考に、あなたの86ライフが素晴らしいものになることを願っています。購入前に必ず試乗し、納得のいくまで検討することが大切です。
86の中古はやめとけ?:まとめ
この記事をまとめます。
① トヨタ86は魅力的だが中古車購入には注意点あり
② 維持費の高さが「やめとけ」と言われる主な理由
③ 故障リスクや修復歴、スポーツカー特有の問題も
④ 居住性や積載性に制限があり日常使用には不向き
⑤ 予算設定は車両価格だけでなく維持費も考慮必要
⑥ 走行距離と年式のバランスが重要、上限に注意
⑦ グレードによる装備や価格差を把握しておく
⑧ 試乗でエンジン、ミッション、足回りを確認
⑨ 信頼できる販売店選びと充実した保証が重要
⑩ 魅力と課題を理解し、慎重に検討して購入を

